LE Audioトランスミッター x 安めのノイキャンイヤホンでゲーセン(APM台)でのスコアアタックが捗る件

まずは私の属性の話

ゲーセンの民になってはや数十年。ゲーセンの常連と一口に言っても、プライズ好きだったり、メダル好きだったり、対戦ゲー好きだったり、色々なベクトルの人がいます。私は、一人で黙々とビデオゲームの汎用台やAPM台でSTGをやりこむレア種族となります。

2025年現在、STG台というのはゲーセンの中では置いてあること自体が珍しく、大部分は対戦系のゲームや音ゲー、プライズものやメダルゲームでゲーセンの床面積は占められています。

店内対戦系のゲームだと、プレイヤーが複数人で盛り上がることもあり、その近辺で別ゲームをやっているとゲーム音が聞こえづらくなることがまあそれなりにあります。APM台にはイヤホン端子が装備されているため、そのようなにぎやかな状況に出くわした場合に備え、私は数年前からいつも有線イヤホンをゲーセンに持参していました。

イヤホンを使うと外部の音はそこそこ気にならなくなりますが、周囲の騒音レベルが高くなってくると突き抜けてきます。

もしかして、というかもしかしなくても普通に売られてから久しいノイズキャンセリングイヤホンを使ったら、かなり集中できて捗るんじゃね?と思い始めてから1年は経ちました。

有線ノイズキャンセリングイヤホンはほぼ絶滅種だった

APM台はイヤホン端子を装備しているため、まず検討したのは有線ノイズキャンセリングイヤホン。しかし2025年ではこのような商品はほぼ絶滅しており、USB端子接続だったり、中古で入手するしかなかったり、ばかでかいヘッドホンだったり、といった有様。この事がノイズキャンセリングイヤホンを検討してから1年も踏み出さなかった主な理由です。

答えはLE Audio x 無線ノイズキャンセリングイヤホン

ならばもう無線しかあるまい。しかし無線(Bluetooth)と言えば遅延がつきもの。ゲームという使用用途を考慮すると、遅延は小さいほど好ましいです。また、有線を無線に変換しなければいけないため、遅延が少ないコーデックに対応したトランスミッターとイヤホンをネットで調べてみました。金もなるべく出したくないという条件付きで。その答えは・・・

・遅延が少ないコーデックはLE Audio(LC3)

・LC3に対応した安めのトランスミッターはEppfunのLE Audioトランスミッター(AK8675MAX1)

・LC3に対応した安めの無線ノイキャンイヤホンはRedmi Buds Pro 5(約8K円)

まあこれはあるサイトで紹介されていたブツそのままなんですがね。(笑)

LE Audio規格の互換性がお世辞にも褒められない状況のようで、Eppfunの別トランスミッターのマニュアルにはQualcommのチップを使ったやつじゃないとちゃんと繋がんなくても知らんよ的な記載があります。そのせいか非Qualcommチップの安価なRedmi Buds Pro 5では最初SBCで繋がり、てこでもLC3で繋がらなくてあせりました。1時間程度色々奮闘していたらなぜか繋がるようになりましたが。

そのあるサイトではRedmi Buds Pro 5でのLE-LL(Low Latency)モードでは聞くに堪えない音質、という記載がありましたが、自分の耳(環境?)では普通に聴ける音質でした。まあ若干やせ気味の音でしょうか。ゲーム用途では音質より重要な遅延ですが、少なくともSTGをやる上で気になるような遅延ではないですね。アイテムを取得した直後になる効果音の出力タイミングに違和感はありませんでした。あと、イヤホンを直接APM台に接続した場合音量の調節ができないので、耳に悪いんじゃないかとちょっと心配になるような音量だったのですが、AK8675MAX1で音量を調節できるのはとても良いです。

旧ツイッタランドで検索した限りでは、同価格帯のEarFun Air Pro 4もLC3接続できそうな感じなので、イヤホンは好みで選べばよさそうです。金に糸目を付けない方はEAH-AZ100なら、AK8675MAX1での動作実績あり&ノイキャン性能も期待できそうで安心かも。

AK8675MAX1は以下のようにとてもコンパクトなので、コンパネの上に置いて全然問題ないですね。付属の3.5mmケーブルの長さもちょうどいい長さです。

Redmi Buds Pro 5のノイキャン性能は8K円ならこんなものか、という感じですがノイキャンなしのイヤホンに比べれば雲泥の差で環境音をきにせずゲームに集中できるようになりました。

周囲がにぎやかでもゲーセンでのプレーに没入できる(ただしイヤホン端子あり台の場合に限る)この組み合わせ、あなたも検討してみてはいかがでしょうか。かなり快適でびっくりしますよ。

データレコーダの代わりにICレコーダ

近況など

前エントリにも書きましたが、1年ほど前(2024年)あたりから、独自アーキテクチャの百花繚乱の時代だったパソコン(PC-88,98,MSX2)をオクやフリマサイト、専門店などから次々と入手していて、最近はレトロPCいじりが趣味の1つとなっています。FM音源が奏でる曲がBGMに流れる部屋はいいものです。敢えて本体のしょぼいスピーカーから出力させると懐かしさもひとしおです。

レトロPC

本題にいきますか

懐かしさへの渇望は留まるところを知らず、最近はオクで35年前のベーマガ1年分を落とし、疑似タイムリープを味わっている自分ですが、PC-8801mkIISR用のDISK BASICを所持していないため、掲載プログラムを打ち込みたくても保存ができない状態です。

で、保存先としてデータレコーダをオクで物色しているのですが、1980年代に製造されたものが多いということもあり、動作確認品で見た目もそこそこ綺麗なブツはなかなか出てきません。

そこで一旦データレコーダの入手は保留にし、「データレコーダ 代用」とググってみたところ、ICレコーダで代用している方々がちらほらヒットしました。もともとデータレコーダはカセットテープに音としてデータを記録しているものなので、同様に音を記録・再生できるものなら代用出来るという訳です。

これだと思い、早速中古CMTケーブルと中古ICレコーダ「RR-XS370」をゲットし、約7,000円でデータ保存環境が揃いました。

PC-8801mkIISRとRR-XS370

RR-XS370が中々の優れモノで、マイク入力端子にケーブルを挿すと、MICモードかLINEモードか選択するメニューが出てきます。MICモードを選択すると録音レベルが高く設定されるため、データレコーダの代用用途ではMICモードを選択すると良さげです。

他にもメニューで何かを選択するたびに、すべて自然な日本語の音声で操作内容を説明してくれるので、結構感心しました。時刻の設定をするときの細かい説明は一聴の価値ありです。いやほんとに。

だけれども

このPC-8801mkIISRはヤフオクで落としたもので、見た目の綺麗さなどは掘り出しものクラスだと思っているのですが、唯一の難点は、キーボードの「3」が全く反応しないことです。「3」はテンキーで代用できますが、「#」が打てないのは、プログラムを打ち込むのに致命的な不具合です。なのでプログラムの打ち込みはキーボードの修理が終わるまでお預け。

あとは、打ち込んだプログラムはICレコーダに保存できますが、市販ゲームのテープ版は当然遊べないのです。(ロード時間の数秒も長く感じるようになってしまった2025年の人間に、数分~十数分のテープのロード時間に耐えられる気がしませんけど)

やっぱりデータレコーダほしー!

Time Sleuth Display Lag Testerによるモニタ遅延計測

導入

遅延。この言葉に対してあなたが抱く感情はどのようなものでしょうか・・・あ、久しぶりにブログを書くのでちょっと奇をてらった冒頭にしようかなと(^^;あ、結果だけ見たい方は次のブロックに進んでください。しばらく自分語りが続きますw

自分は昭和生まれで、ブラウン管でSTGなどをzero lag環境で長い間やってきた人間です。しかしながら、液晶モニタ全盛の現代でゲームをやる場合、液晶モニタでゲームをプレイせざるを得ないことが多く、そうなると所謂「遅延」が気になるわけです。特にSTGでは遅延の大小が自機の操作性に直結しており、そのゲームの面白さにさえ影響を与えるほどの重要なファクターとなります。自宅には汎用ビデオゲーム筐体であるブラストシティを導入しておりますが、諸般の事情によりアーケード基板であっても自室の液晶モニタにCBOXを繋いでプレイすることが多いです。

つい最近(2024年6月)まで液晶でアーケード基板のゲームをプレイする場合は、日本を代表するスケーラーであるフレームマイスターを使用していました。遅延をそれなりに感じつつも

電波新聞社こそ至高!絶対神!

という価値観を植え付けられた世代であるため、フレームマイスターを超える(フレームマイスターより遅延の少ない)スケーラーなど存在しない!と疑わない日々を送っていました。

そんな思考停止状態で日々を送っていたわけですが、今年になって始めた趣味?であるレトロPCいじり絡みで、レトロPCのキャプチャ環境について最適な環境を調査していた過程において、遅延観点ではフレームマイスターは完全に時代遅れの代物と化していることに気づかされたのです。

趣味のレトロPCいじり

ああああそんなバカなあああ!と自分の情弱さ加減に幻滅しつつも、遅延をもっと少なくできるという素晴らしい情報を知ってしまっては、遅延が大嫌いな自分の欲求はもう止められません。気が付いたら2024年現在定評のあるスケーラー(2万円以下)を全部ポチっていました。

2024年現在定評のあるスケーラー、GBS-C、OSSC、RetroTINK 2x-ProとラグテスターのTime Sleuth Display Lag Tester

別に遅延を改善するだけであればラグテスターは必要ないのですが、昨今SNSやECサイトのレビューでは、「遅延はあまり感じません」「え~っ、遅延なんてなくなくね?キャハハ!」「(アストロシティミニVの)ACアダプタを換えたら遅延が改善しました!(キリッ)」などと、なんのエビデンスも示さずあてにならない人間の体感だけで語るやつのなんと多いこと。

そんなエビデンスも示さずに体感だけの感想を語る害悪な人間に自分は絶対になってはいけない!との考えに至り、ラグテスターを使った精密な遅延計測はマスト、マスター、マステストである、と金もないのにラグテスターも無理してポチりました。(泣)

Time Sleuth Display Lag Testerを使った遅延計測中の様子。合計6か所(白い長方形)で測定可能

というわけで・・・

遅延計測結果

液晶モニタをドーンと10台くらい用意してデータとしての有用性を上げていきたいところですが、そんな金や保管場所があるわけもなく手持ちの3台のみの比較となります(ALIENWAREのモニタもあるけどDPに変換するのが面倒)。なお、計測にあたりテスターが出力するHDMI信号をコンポーネント信号に変換してスケーラーに食わせる必要があるため、avedio linksのHDMItoコンポーネントコンバータを使用しました。日本の尼では売り切れていたので米尼より取り寄せました。最初アリエクのほうが安かったのでそっちから買ったのですが、コンバータだけで20msほど遅延するという粗悪製品だったので、もしもオレっちも計測するぜ!なんて奇特な方は米尼から買うことを強くお勧めします。送料に糸目をつけなければ3日で日本に来ます。どっちの製品も取説にメーカー名の記載すらないノンブランド臭のする中華のアレな作りですが、アリエクの方は画質も悲惨で完全にゴミです。

というわけで計測結果はGoogle スプレッドシートに上げました。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/14iLRMDgA8F1GQ09rNE-5QCfUe2qJiHFV/edit?usp=sharing&ouid=103781726692634923394&rtpof=true&sd=true

画像としても上げておきます。

遅延計測結果

総評、というか感想および数値だけでは見えてこない情報の補足

  • 低遅延で有名な製品というわけではないと思うけど、GB2770HSUは比較的新しい世代のモニタであり、総じて優秀
  • 3つのスケーラーの遅延の違いは1~3ms程度で僅差ではあるが、ゼロラグのブラウン管から数msの液晶になっただけで操作感に違和感を覚えることを考慮すると、1ms程度であっても過小評価するべきではない。
  • GBS-CはOSSCより遅延が若干多い、という情報をYoutubeで見たけど自分の環境ではGBS-Cのほうがやや良好
  • OSSCはGBS-Cより遅延が若干多いが、ブレが非常に少ない。プレイに影響を及ぼすような違いとなるのかは分からない。計測前の体感ではOSSCの方が良好であったが、計測してみたらこの結果である。
  • OSSCで240pがすべてno syncになってしまっているが、HDMItoコンポーネントコンバータのせいかもしれない。
  • 240p前後になるアーケード基板の場合はRetroTINK 2x Proが最適かも。ただし画質はS端子またはコンポーネントレベルになる。
  • テレビはテレビ番組を観るために使うものであり、ゲームをするために使うものではない。(ガチ勢並みの感想)
  • なんとなく3か所を計測ポイントとしてみたけど、top以外を計測する意味は何かあったのかと自問自答している。
  • 遅延の話ではないけど、画質という点ではRGB入力のOSSCが一番綺麗
  • 同様に遅延の計測をされている先人の方々のデータをみるとPixioのモニタが遅延が少ないようなので、いずれ入手して追試したい。

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